前回の記事では、卵巣嚢腫とチョコレート嚢胞の発覚から摘出手術を決意するまでを中心に記しました。
(前回の記事 → 【卵巣嚢腫とチョコレート嚢胞の発覚は下腹部痛と茎捻転がきっかけ】 )
今回は、「卵巣嚢腫とチョコレート嚢胞の摘出手術」と「術後の生活」について記したいと思います。
Contents
どんな手術だったのか
卵巣嚢腫とチョコレート嚢胞の摘出手術を受けたのは、今から20年以上前のことです。
現在では摘出手術の多くが腹腔鏡下などで行われるようになっていますが、当時の私の場合は「開腹手術」となりました。
卵巣嚢腫とチョコレート嚢胞を同時に摘出しました。
腫瘍部分のみの摘出で済み、卵巣は残せました。
開腹手術と言っても大きな傷が残るものではなく、担当医は「ビキニも着れるように手術するから」と言ってくれまして、その言葉通り、本当にお腹のギリギリ下側・12~13cm程度の長さの細い傷で済みました。(毛の生えているギリギリの部分です~)
摘出した腫瘍
茎捻転を起こした方の卵巣部分から摘出した腫瘍は「皮様嚢腫」(ひようのうしゅ)と言って、嚢腫の中に髪の毛や歯、脂肪などが溜まったものだったそうです。
人体の元となる胚細胞にできる腫瘍で、はっきりとした原因は分かっていないようですが、卵子が受精せずに成長したもので、比較的若い年代に起こるのものだそうです。
この「皮様嚢腫」は代表的な良性の卵巣嚢腫で、自覚症状や痛みがなければ経過観察が一般的のようです。
しかし、腫瘍の大きさが6cmほどになると「茎捻転」を起こす可能性が高くなるため、腫瘍が大きい場合には摘出手術をするのが良いとのこと。
私は腫瘍があるという自覚症状がなかったため(下腹がポッコリ出ているとは思っていましたが・汗)、また、もともと痛みに強く生理痛や下腹部痛を我慢しながら過ごしてしまったために、腫瘍部分の茎が捻じれてしまう大きさまで成長して茎捻転が起き、激痛に苦しんだのだと思います。
繰り返しますが、過多月経や下腹部痛を感じるようになったら早めに受診することをおすすめします。
卵巣嚢腫とチョコレート嚢胞を手術で摘出しましたが、奇跡的に卵巣は両方ともきれいに残っていたそうで、医師のアドバイスによる生活を心掛け、手術から1年で妊娠する事が出来ました。
後日談ですが、医師からは術後にこんなことを教えてもらいました。
お腹のけっこう上の方まで腫瘍が行ってて、かなり奥まで手を突っ込んで取ったんだよ
( ↑ フランクに記述しています)
傷口を小さく済ませるために先生は色々努力してくださったんだなぁ。。。あらためて感謝です。
術後の生活
退院後は病院から実家に直行し、ひと月ほど実家で過ごしました。
実家では両親が色々と面倒を見てくれ、私は体の回復に努めるのが仕事でした。
おかげで順調に回復していきました。
そのため、寝ているだけでは申し訳ないなぁと思うようになり、1週間ほど経ったある日、お天気がとても良かったので家族全員分のお布団を干したら、夜になって痛みが強く出たり軽く発熱もしたので、まだまだ無理をしてはいけないなと反省しました。
腹圧をかけるようなことはしないようにと医師から言われていたのに。。。
休んでいるのが悪いと思い、無理をして動いたために悪化させてしまい結果として回復に時間がかかっては本末転倒です。
皆さんには、決して無理をせず可能な範囲で出来る限り休んで欲しいなと思います。
その後傷口は順調に治っていき、剃毛した毛が戻ると傷口もだんだん目立たなくなっていきました。
20数年経った現在はどんな状態かと言いますと、傷はうっすらと見える程度です。
太ってきてお腹に脂肪がついたり、体を前に倒す姿勢を取ると、傷の上にお肉が乗ったような感じになります。
いずれにしても、よーく見ないと分からないです。
※「ビキニも着れるから」と言う通り上手にオペをしてくださったのですが、私は「ワガママボディ」でして。。。スタイル的にビキニは着られないので結局一度もビキニは着てないです。。。なんだか先生に申し訳ない感じ。。。(笑)
卵巣嚢腫摘出手術後の医師からのアドバイス
開腹による摘出手術後は順調に回復していきました。
卵巣嚢腫とチョコレート嚢胞の摘出手術後の医師からのアドバイスは
・妊娠は可能。
・しかし、避妊期間を今から1年間設けること。
・その間に、卵管が詰まっていないかの検査を受けること。
【卵管造影検査】
とのことでした。
【卵管造影検査】とは
子宮と卵巣をつなげている管を「卵管」と呼び、その卵管は子宮の左右両側にあって卵子と精子の通り道になっています。
この卵管が両側とも詰まっていると受精できなくなるため、一般的な不妊治療としてまずこの詰まりがないかを見るのですが、その方法として、卵管に造影剤を流し込み、その造影剤の広がりをレントゲンで確認する検査を「卵管造影検査」と言います。
卵管造影検査は、正直痛かったです。
普通では触れることのない身体の深部(芯部?)に、検査のため意図的に造影剤を流し込むので、細い針のようなものが挿入されたような、今まで経験したことのない何とも言えない重たく鈍い痛みを感じました。
しかし、その痛みはあっという間に終わりましたし、寝ているだけで済むし、まったく怖い検査ではありませんでした。
卵管造影検査のおかげで卵管の詰まりが無くなることが多いそうですが、私ももれなくそのパターンだった気がします。
手術後の定期検診で医師から避妊期間を解いていただいた後(妊娠OKをいただいた後)、すぐに妊娠しましたので。
卵巣を手術しても自然妊娠は可能でした
結婚してから特に避妊もしていないのに3年間全く妊娠の気配がありませんでした。
急いで子供が欲しかったわけでもなく、20代前半だったこともあり、3年妊娠しなくても特に焦ることはありませんでした。
過多月経で生理痛がどんどん酷くなっているのに、婦人科受診はなんとなく嫌だなぁという浅い考えで、痛みを我慢する生活を続けた結果の茎捻転。。。
そこでようやく婦人科系の病気が見つかり手術になったわけですが、結果として、手術をしたからこそ妊娠できたのだと強く感じています。
茎捻転を起こすほどの大きさまで成長した卵巣嚢腫とチョコレート嚢胞を取っていただき、卵管の詰まりがないかの検査をした後、すぐに自然妊娠が出来た私。
結婚後3年間妊娠しなかったのは、やっぱり私の方に原因があったのだなぁ。。。とあらためて思いました。
妊娠期間の体調
開腹による摘出手術の一年後に妊娠しましたが、妊娠期間はとても体調がよく、人生でトップ3に入るほど快適な期間でした。
(出血・貧血などなかったですし、周りの皆さんが大切に扱ってくれましたし、何よりつわりが全くなかったのです。運よくつわりがなかったことは感謝です)
妊婦検診で体調・貧血などの心配も一切なく、無事予定日に出産し、母子ともに元気に過ごすことができました。
卵巣嚢腫とチョコレート嚢胞の摘出手術を受けて思ったこと
学生の頃からの過多月経は仕方がないことと放置し、下腹部痛を我慢しつづけて病院を受診せずにいた結果、卵巣嚢腫であることが分からないまま長い期間を過ごし、とうとう茎捻転を起こして激痛を味わい意識を失った私。
茎捻転を起こしてようやく病院を受診したところ卵巣嚢腫とチョコレート嚢胞が発覚したものの、その後半年間手術をすることを迷い、摘出手術を終えるまではドキドキしていましたが、卵巣嚢腫とチョコレート嚢胞の摘出手術を受けて良かったと本当に感じています。
20年以上前なので私は開腹手術でしたが、医学医療の進歩により現在は腹腔鏡下などで傷の大きさや入院・休養期間が縮小されてきていますので、昔の私の様に「体にメスを入れたくない!」などと思わず(怖がらず)、早めに病院を受診して適切な治療を受けることをおすすめします。
出産後は普通に元気に過ごしていたはずが
このように卵巣嚢腫とチョコレート嚢胞の摘出手術を受けた後に自然妊娠することが出来ました。
妊娠期間中は体調も良く、特に問題なく過ごすことが出来、予定日通りに普通分娩で出産しました。
出産後は完全母乳で過ごせ、子供も大きな病気もなく育っていきました。
このように出産後10年近くは普通に生活をしていました。
子宮筋腫が発覚するまでは。。。
長くなりましたので、このことについては下記の記事に書きました。