「貧血」ってどんなイメージがありますか?
・全校集会や朝礼でフワ~っと倒れるイメージ?
・色白で細くて、か弱い女性のイメージ?
なんだか漫画に出てくるシーンを思い出します。
貧血とはどんな状態で、どんな症状が出るかご存じですか?
「貧血って血が少なくなるんでしょう?」と思っている方も多いのではないでしょうか。
貧血はあまり深刻なイメージを持たれないと思いますが、いかがでしょう。
私は貧血の知識がなかったために体調不良を放置してしまい、意識を失って倒れ大怪我をしました。
ここでは「貧血(特に鉄欠乏性貧血)」について、痛い失敗体験とそこから学んだ情報をシェアしていきたいと思います。
たかが貧血と軽く見ないで、体調不良を感じていたら早めに対処してくださいね。
貧血チェックリスト
以下のようなことはありませんか?
1.疲れやすい
2.動悸・息切れしやすい
3.立ちくらみやめまいを起こしやすい
4.顔色が悪い
5.爪が弱くなったり反ったりしている
6.氷を異常に食べたくなる
7.月経時の出血量が多い
8.ダイエットを意識して食事に偏りがある
2つ以上あてはまっていたら「鉄欠乏性貧血」の可能性アリ!
要注意です。
上記チェックリストの
1~5は
「鉄欠乏性貧血」の症状です。
7~8は
「鉄欠乏性貧血」になる危険因子です。
では、6は?
6は
「鉄欠乏性貧血」の症状でもあり、危険因子でもあります。
貧血とは
貧血とは、全身に酸素を運ぶ役割を持つ赤血球に含まれるヘモグロビンが体の中で少なくなることです。
私たちが呼吸をした時、肺で取り込んだ酸素は血液の中にある「赤血球」によって体中に運ばれます。
この働きをするのが、赤血球に含まれる血色素「ヘモグロビン」です。
酸素が運ばれる量はヘモグロビンの量とほぼ比例しています。
ヘモグロビンが多いと酸素がたくさん運ばれますし、少ないと酸素が十分に運ばれなくなります。
このヘモグロビンは、鉄を原材料として生産されます。
ですので、鉄が不足するとヘモグロビンが減って酸素が十分に運ばれなくなります。
これを貧血(鉄欠乏性貧血)の状態と言います。
貧血になると
貧血になると体中が酸素不足の状態になるため、息切れ・動悸・頭痛・ふらつきなどの症状が起こります。
ヘモグロビンの成分である鉄が少なくなると、ヘモグロビンが減って充分な酸素が身体に行き渡らなくなります。
すると、酸素を少しでも体の中に送り出そうとして心臓や肺が無理をして激しく働くため、動悸や息切れなどの症状が起こるのです。
貧血の人は、健常な人よりも体内で運ばれる酸素が少ないので、少し動いただけでもたくさん運動したようになるため、息が上がって苦しくなるのです。
私も階段で息が上がって苦しくなりましたが、息が上がるよりも前に足(太もも)が上がらず、階段がなかなか登れなかったです。。。
体内の酸素は、体を動かすのに本当に重要なんだと感じました。
貧血の種類
貧血は、上記に書いた「鉄欠乏性貧血」から、難病指定されている貧血まで色々な種類があります。
貧血は原因によっていくつかの種類に分けられます。
・再生不良性貧血
・悪性貧血(巨赤芽球性貧血・きょせきがきゅうせいひんけつ)
・溶血性貧血
・鉄欠乏性貧血
「鉄欠乏性貧血」以外の貧血は、鉄分を補給しても治りません。
ヘモグロビンとフェリチン・血液検査をしましょう
貧血が軽いうちは「なんとなく疲れやすい・なんとなく体がだるい」といった体調不良を感じても、病院に行くほどでもないと放置してしまいがちです。
また、貧血の正しい知識がないと、体調不良が貧血によるものだと分からなかったり、疲れやすいとかだるいとかを気合が足りないからだと思ってしまったりもします。
急激に鉄分が減った時は体感として出やすいのですが、鉄分が緩やかに減っていくと体が鉄不足に慣れてしまうため、体感として出にくかったり貧血を感じにくくなったりします。
悪い意味で貧血に慣れてしまうのですね。
月経のある女性は毎月鉄を失いますし、成長期や妊娠・授乳期は鉄を多く必要とします。
食事から摂る鉄分と失う鉄分のバランスが崩れて貧血になる人が多いですので、少しでも体調が悪いなと思ったら、貧血になっていないか血液検査をしてみてください。
「隠れ貧血」という言葉もあるように、血液検査(hb)で異常と診断されなくても体調が思わしくない時は「フェリチン」という値を病院でお願いして測ってもらってください。
ヘモグロビンはすぐに使われる鉄。
12g/dl 以下で貧血と診断されますが、13g/dl はあった方が良いです。
フェリチンでは体の中に貯蔵されている鉄の量が分かります。
20(ng /mL)は最低欲しいところです。
私は、中学生の頃から過多月経気味。
過去に卵巣嚢腫とチョコレート嚢胞を患い(摘出手術を受けました)、その後妊娠・出産をしましたが、妊娠中の検査でも貧血と言われたことがなかったので自分に鉄が足りないなどと思ってもいませんでした。
そのため、貧血という言葉と症状は何となく知っている程度で正しい知識を学ぶことなく過ごし、自分の体調不良が貧血によるものだと知らずに長い年月を過ごしていました。
体調不良を放置すると
出産後、7~8年ほどたった頃。
30代半ばで体調の変化を感じるようになりました。
走ったり階段を登ったりするのはもちろん、平坦な道を歩いているだけでも息が上がるのです。
そして、その数か月後には指先が痺れるようになってきました。
整形外科をいくつか受診したものの異常が見つからず、原因もわからないので治療のしようもない、でも痺れと痛みは悪化する一方、と言う日々が続きました。
なぜ手が痺れるのだろうと悩みながらも解決法がない日々。。。
そのうちに、洗濯物を干すためのピンチを持つことも出来なくなりました。
ふと、子供が幼稚園時代に通って感じの良かった病院を思い出し、藁にも縋る思いで受診しました。
そこで血液検査をして重度の貧血が発覚し、鉄剤を処方されました。
生まれて初めての鉄剤です。
「あんなに貧血とは無縁と思っていたのに」と驚くばかり。
そして。。。
重度の貧血と診断され鉄剤を服用し始めたその日に外出先で倒れました。
意識を失ったのです。
救急車で病院に運ばれ、骨折はしませんでしたが何針も縫いました。
その時の検査で「数値が出ないくらい悪い貧血の値です」と言われました。
ヘモグロビン値が 5g/dl だったようです。
看護師さんたちが驚いていました。。。
数値が出ないってどういうこと??と、縫われた傷よりも驚いた瞬間は今でも忘れられません。
倒れた日は連休の真っ最中でしたが病院に通うことになり、怪我の治療と共に24時間の心電図計測をしたりと忙しい数日間となりました。
体調不良を放置せず、もっと早く病院を受診して鉄不足を解消していれば、倒れて大怪我をすることもなかったと思います。
30代半ばでも正しい知識を持っていなかったために貧血を放置し、何針も縫う大怪我をした私。
それ以降は、体調はもちろん、普段の食事も気を付けるようになりました。
現在はすっかり傷も目立たなくなり元気いっぱいにしております。
鉄不足は鉄剤や鉄サプリメントで補えば良いと思いがちですが、安易に摂取するのは実は危険を伴います。
それについてはまた別の記事で書いていきます。