妊娠中でも貧血と言われたことが無かった私は、自分が貧血になるはずがないと思い込んでいました。
貧血の知識がなかったので、体の異常を感じながらもまさか自分が病気だと思わず、病院に行くことなく過ごしていました。
貧血状態を何年も放置していたため、病院で貧血が発覚したときには鉄剤をMAX量処方されるほどの重症でした。
今考えるとあの症状は絶対に貧血だよなぁと分かるのですが、知識がないって怖いですね。
様々な症状を「なんだかおかしい」程度にしか思っておらず、体の不調を軽視していました。
どんな症状が出ていたのか書いていきます。
Contents
貧血発覚の時はどんな症状が出ていたか
手の痺れ
指先が痺れて痛みがあり、洗濯物を干すことも困難になっていました。
それは、貧血のため体中に酸素が運ばれにくい状態で、指先に酸素が十分行き渡っていなかったからだそうです。
体感として、正座したときと似た痺れが出ていました。
息切れ
走ったり階段を登ったりするのはもちろん、平坦な道を歩いているだけでも息が上がるようになりました。
母と歩いていても、30歳近く若い私の方が遅いのです。。。
階段では途中から太ももが上がらなくなり、息の苦しさとともに足をあげることが辛くて辛くて、手すりを持つ腕の力で階段を上るようになりました。
駅の階段では、小さなお子さんを連れた親子や祖父母くらいの年齢の方よりも、私の方が階段をのぼるのが遅かったです。
貧血だと酸素不足になるので健常な人よりも体内で運ばれる酸素が少なくなり、少し動いただけでも運動量が上がったようになるので苦しくなるのです。
だんだんと外出するのがつらくなっていきました。
爪の異常
爪の先が反るようになっていました。
スプーンネイル(匙状爪)とも呼ばれるそうですが、通常は丸くカーブを描く爪が上に向かって反りかえる感じでした。
鉄欠乏性貧血の人は、健常者と比べて爪が弱くなるため爪の変形が起こりやすくなるそうです。
思えば爪が薄く割れやすくもなっていました。
氷食症
氷がとにかく食べたくて、夏だけでなく真冬でも氷のストックがなくなるほどたくさん食べ、体が冷えて震えながらも氷をガリガリかじるのがやめられませんでした。
もともと冷たいものが好きだったので、ちょっとおかしいなとは思っていましたが、お腹を壊すことが一切なかったので病院に行くような状態ではないと思っていました。
鉄欠乏性貧血の人は、「異食症」とよばれる異常な食行動がみられることがあるそうです。
後述しますが、私は典型的な「氷食症」になっていたのですね。
髪の毛が抜ける
氷を食べて常に身体を冷やし続けたせいか、髪の毛がよく抜けるようになりました。
これも、もともと髪の毛の量が多くて悩んでいたので、抜けるくらいでちょうどよい、などと感じていました。
色白・血管が透ける
色白になって行きました。
そして、血管が透けて目立つようになりました。
以前習っていた精進料理の先生に体調の話をしていた時「手首の内側を見せて」と言われたことがあります。
不思議に思いながらも見せると、私の手首~肘までの血管の透け具合を見て「貧血ですね」と言われたことがありました。
病院では瞼の裏側が白っぽいと、貧血と診断されるようです。
無知な私は、色白になったのは女性としては嬉しいくらいの状態だと思っていました。。。
太らない
全然運動していないのに、たくさん食べても太らなかったです。
私はもともとたくさん食べる方だったので、食べる割に全然太らないのはすごくうれしく思っていたのです。。。
しかし、これは良いことではなく。。。
貧血により酸素が不足し、健常な人よりも体に負担がかかっていたことが原因でした。
同じ動きでも負担が多いのは良くないことですよね。
こうやって書いていると、自分ってどんな人間だったのかと恥ずかしくなります。。。
でも、貧血の知識があればこのような状態を放置することなく、早めに病院に行き、すぐに子宮筋腫も見つけられていたのだと思います。(反省)
異食症について
「異食症」ってご存じですか?
ある変わった特有のもの(栄養価の無いもの)を無性に食べたくなるという食行動が起きることです。
鉄欠乏性貧血の場合には氷を食べたくなることが圧倒的に多く、「氷食症」と呼ばれます。
氷食症になるのは、貧血によって起こる口腔内の炎症を抑えるため、また、氷をかみ砕くことによって脳への血流を一時的に増加させるためなどと言われているそうですが、氷食症が起こるメカニズムはまだよく解明されていないそうです。
でも、私の経験でも、口内が熱を持ったようになり冷たいものが欲しくなる、固いものをガリガリ・バリバリ噛みたくなる、というのはよく当てはまっていて、その両方を満たすものが「氷」でした。
どうしても氷がない時は固い飴を噛みたくなりましたが、やはり「冷たくない」「甘い」という点で飴は噛んだ後に後悔することが多かったです。
異食症が起こるメカニズムはまだよく解明されていないとはいえ、鉄剤を服用し始めると比較的早く(ヘモグロビン値が正常値になる前)に異食症がなくなったり、鉄欠乏性貧血ではない他の貧血では異食症が出ないことなどから、鉄不足が異食症の原因となっているのは明らだそうです。
鉄欠乏が異食症の原因となっていますが、異食が過度に進むとさらに鉄欠乏が進みます。
これは、栄養のない特定の変わったものを食べ続けることにより、ほかの栄養素を摂取しづらくなりさらに鉄欠乏が進むことになるので、まさに悪循環ですね。。。
氷が無性に食べたい!と感じたら、早めに病院を受診し血液検査などで鉄欠乏性貧血になっていないかをチェックしてみてください。
冷たく硬いものを欲する症状と医学書にも書いてある通り、私は起きている間中ずっと冷蔵庫の製氷室とお友達になってました(笑)
お腹が丈夫なのは自分で分かっていましたが、毎日バケツ一杯ほどの量の氷を食べて身体を冷やしても、一度もお腹を壊すことはなく。。。だからこそ「氷食症」がどんどんエスカレートしていきました。
製氷機で氷が足りなくなるので、スーパーやコンビニで氷を買うこともよくありました。
あれほど氷を食べ続けていてよく歯が欠けなかったなぁと今になって思い返すと怖くなります。
病院での診断
鉄剤の処方
病院に行った時には極度の貧血と言われ(ヘモグロビン値が 5g/dl)、鉄剤をMAX量(200mg)処方されました。
一日に2回(朝と晩)、錠剤タイプの鉄剤を飲むように言われました。
鉄剤を服用するようになってこれらの症状が良い方向に変わっていきました。
まずは息切れが徐々に減っていき、外出が苦でなくなっていきました。
数か月経つと氷が食べたい症状が治まり、続いて、指先の痺れも軽くなっていきました。
その後、髪の毛が抜けるのが減りました。
。。。しかし、この頃から貧血改善の悪影響と言いますか、鉄剤の副作用に悩まされることとなりました。
鉄剤の副作用
・肌荒れ、肌が固くざらつきがちになる
・肌が黒くなってくる
・歯も黒くなってくる
・髪の毛のボリュームが戻ってくる
・少しずつ体重が戻ってくる
・便が黒くなり、便秘になる
こうなるなら、貧血のままが良かった。。。と思う事も多かったです。
でも、鉄剤の服用により手の痺れや痛み、息切れが良くなったことはとてもありがたかったです。
貧血を放置してはいけません。
貧血は、急激になると体にもわかりやすい症状が出ますが、少しずつ貧血が悪化するタイプだと、悪い意味で身体が貧血に慣れてしまい、なかなか症状として分かりにくいことがあります。
このブログを読んでくださっている皆さんには「貧血とはどんなものか」を知って、私のような危ない状態にならないように気をつけてほしいと思います。
貧血とは?という記事を、貧血症状チェックリストとともに、以下に書きました。
ご興味のある方は読んでみてください。
(貧血が発覚したときの意識喪失についても書いています。)